戯れの浜辺(たわむれのはまべ)11 episode(後編)

六本木ヒルズ 森美術館の下りエスカレーター

前回の「戯れの浜辺 11 episode(前編)」のつづきです。

とはいえ

あの経験がなければ、複恋門(ふくれんもん)鑑定士としての、今の私は存在しません。

わだかまりを抱えた女性のやり切れなさやつらさ。

心に潜む闇や、その深さも。

皮肉なことに彼女に裏切られることで、言葉よりも心で、女性の方のお悩みを感じることができるようになりました。

でも、よくよく振り返ってみれば

彼女の裏切りも私の人生のプロセスだったんだな と、今ならわかります。

彼女と出会う前の私は、自分勝手で元嫁の気持ちをまったく思いやろうとしませんでしたから。

釣った魚にエサはやらない、というアレです。

その結果、私にすべてを捧げてくれた女性を、二人も不幸にしてしまいました。

そのことを気づかせるために、彼女はわざわざ恨まれ役を買ってでて、私に教えてくれたのでしょう。

さまざまな事を学んだ四年間でした

今の私ならたとえ、彼女に裏切られたとしても、リアクションが違うかもしれません。

まずは彼女の話を聞く。

そしてどんな場合でも彼女の気持ちを尊重し、認めた上で、話しあう。

私のところに来られる方は、人に言えない悩みを、思いあぐねた末に打ちあけにくる女性がほとんどです。

そのような、女性の話を聞かせていただいて思うこと。

それは恋愛って、こっちが正しくてこっちが悪いって、頭ごなしに割り切ることって出来ないということです。

好きになるのって理屈じゃありませんから。

そのような言いたくても言えない気持ちを、どうしていいかわからない時は。

こんな言葉を自分に投げかけてみては如何でしょうか。

「これまで大変だったよね」

「あなたはありのままで大丈夫」

「いつも頑張って、これまで我慢して生きてきたよね」

「でも、もう自分を責めるのは止めようよ」

私も幼い頃から、ずっと無意識で自分を責めつづけていました。

その事も彼女は気づかせてくれました。

自分責めしていたんですよ、ずっと。

これからは

まずは「見捨てられる」という囚われにしがみついていた自分を赦(ゆる)します。

あの頃は大変だったけど今は大丈夫だよ、と。

その上で過去の自分を手放す。

そうすると、だんだんと色々なことを赦せるようになりました。

失った愛は取り戻せませんが

過去は改めることができます。

「いい思い出だった」と。

今は、あの経験も必要だったんだ、と理解できます。

幼かった頃の私。

裏切られた可哀想な私。

ありがとう。

そしてさようなら。

森美術館のエスカーターを下りながら、これまでの私の過去の囚われを置いてきました。

そうすると不思議なことに

相談に来られる女性の方の、弱さや矛盾や心の闇も、頭でジャッジしないで感覚でわかるようになりました。

傾聴を通してお話を聞かせていただき、ひらめきをシェアして伝え合うこと。

その時々で揺れ動く心のさまにも、寄り添えるようになりました。

このような気持ちで、クライアントの女性に接するようになれたのも

古来中国の叡智である『門』を知り、ほんとうの自分と出会えたからです。

雲のように浮かぶ悩みや囚われを。

自分を知り、他人を知る自己分析手法である門を使って。

一つひとつ手放していくと。

少しずつですが、川の流れに乗ったかのように人生が好転していきます。

さまざまな矛盾や悲しみ、そして心の闇も。

パラメーターを使って、数値化されたデータに基づいたアドバイスをすることで。

わだかまりという雲の隙間から、やがて陽が射してくるようになります。

私も、過去の囚われを手放せるようになるには四年という歳月を費やしました。

これからも瞑想を通して、心のクリーニングやクリアリングを行いつつ。

私のような、心にわだかまりを抱えている女性の気持ちに寄り添いたいと思います。

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